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わたしのダンチ・ライフ
by RE EDIT 編集部

ダンチ男子の夏休み ~前編~

団地にまつわるストーリーを、泉北エリアの情報誌をつくる『RE EDIT〈リ エディット 〉』編集部が、2022年6月より全10回お届けする「わたしのダンチ・ライフ」。

第3回目は、団地で育ち、約30年間の団地暮らし経験がある樋口が、どこか懐かしくて優しい、この茶山台団地の雰囲気を感じながら、今どきの「ダンチ男子の夏休み」に密着してお送りします。

「よろしくお願いします……」と口では言いながら、カメラも追いつかないスピードで出てくる今回の主役、“ダンチ男子”はるくん。
3歳から6年間暮らし、すっかり住み慣れた風格が漂っています。

「こんにちはー」母親のちほさんが、はるくんを追いかけるように笑顔でお出迎えしてくれました。ちらっと見えたおうちは広々としていて明るく、壁面収納が施されているなど、筆者の予想を超えるおしゃれダンチ・ライフをしっかり想像させてくれました。

「そういえば記憶の中の団地は涼しい時間帯があった気がする、ここは午前中が涼しいのかな~」と昔の記憶を思い出していたら、目線の先にはカッチカチの上級泥団子がドア横のミルクボックスの中に置かれていました。
「捨てるタイミングが分からない」と、ちほさんは笑っていましたが、お子さんが時間をかけて作った作品を“大事に置いてある”日常生活が想像でき、ちほさんの愛情が感じ取れます。

追いついた、ちほさんとはるくんが向かう先は隣の棟。

まるでおじいちゃんのお家かのように慣れた様子で、はるくんが入っていったのは「DIYのいえ」でした。
ここはスタッフの技術サポートのもと、初心者でも気軽に相談しながらDIYを始めることができるワークスペース。

はるくんの今日の目的は夏休みの宿題の貯金箱を作ること。 
この日「DIYのいえ」に来ていた子ども達のほとんどが同じ目的のようでした。
貯金箱は貯金箱でもみんな仕上がりの違う、世界に一つだけの自分の貯金箱です。

これは、お家で考えてきた設計図。
技術サポーターさんに見てもらいながら一緒に作戦を練ります。

まずは端材探し。
同じ小学校に通う近所の4年生、ゆうまくんのアドバイスを受けながら、一緒にちょうど良さそうな端材を探します。

ゆうまくんがはるくんに「自分でできる?」「支えよか?」「正確にするんやったら……」と、まるで技術サポーターさんのように声をかけ、はるくんの作業がサッと進みます。
 ゆうま「自分でする?」
 はると「どうしよっかな……」
 ゆうま「(技術サポーターの)川野さんにしてもらったらきれいになるで。(学校で)選ばれるかもしらんで」 
そんな子どもらしいやりとりもここならでは。

実は、ゆうまくんも貯金箱を作りに来ているのに
「俺は段ボールで作るねん。段ボールはカッターで切れるもん!」
と言いながら自分のことを後回しに、はるくんの手伝いをしています。
きっと彼は「DIYのいえ」を支える大人たちからたくさんのことを自然と学び、優しいお兄ちゃんに育っているのでしょう。

気が付くと、はるくんの作業台の周りに耳をふさいだ子どもたちが並んでいます。その奥では真剣なまなざしで分厚い木を切っている技術サポーターさんがいらっしゃいました。みんな作業用の木材をカットしてもらうために並んでいたのですね。

「DIYのいえ」がオープンした2019年頃から通う、校区外在住の親子の姿もあります。今日はこの夏2回目の来所。前回選んだ端材をもとに考えた貯金箱を作るために、ホームセンターで丁番を購入するなど準備万端で来られ、技術サポーターさんのアドバイスを受けながら真剣に作業されていました。

団地内にある1棟のうち3室を利用して運営されている「DIYのいえ」。部屋それぞれに作業台があり、様々な種類の工具が数カ所に分けられ、壁を利用してインテリアの一部のように配置されています。

夏休みの宿題が佳境を迎えていた取材日は、たくさんの親子が来られていましたが、団地スペースを上手く活用されているので程よく距離をとりながら、それぞれが作業に没頭する光景が印象的でした。

「DIYのいえ」は、あちらこちらの壁紙も様々で、自分好みの部屋をイメージできます。住まいの気分を変えたい時や生活ステージが変わった時に、家具や小物など必要なものをハンドメイドするのに、生活に寄り添ったアドバイスをくれる技術サポーターさんがいる「DIYのいえ」は、子どもにも大人にも最適な環境が整ったとてもワクワクする場所でした。

ではでは、はるくんの貯金箱のボンドが乾くまでの間、ちょっとお外に出ましょう。

後編に続きます。
ダンチ男子の夏休み ~後編~ はこちら