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life
by マッキー

“なんとなくおまかせコース”が落とし穴!?洗濯研究家に聞く「洗濯の極意」

毎日の家事の中で大きな位置を占める「洗濯」。単身者の方であれば、2,3日に一度という方もおられるかもしれませんが、家族の人数によっては1日に1回どころか何度も洗濯機を回しているというご家庭もあるかもしれません。ひとえに洗濯といっても、「洗濯機を回す」「洗濯物を干す」「洗濯物をたたむ」という3つの作業で1セット。これはなかなかの重労働といえます。

それだけでなく、天候にも大きく左右されてしまうのがこの家事の悩みどころ。よく晴れた日に屋外に洗濯物を干すととても気持ちがいいものですが、逆に雨が降っていたりすると、どうしても室内干しになるため「乾きにくい」「生乾き臭がする」といった悩みがつきものです。

スマリオにお住まいのIさんもまさにその悩みを持つお一人。取材日はある寒い一日でしたが、日照が少なく、気温があまり上がらない冬場や梅雨時期は特に部屋干しになることが多いそうです。
多くの人の悩みの種を解決するアドバイスをしてくれるのは、日本で唯一「洗濯研究家」の肩書を持つ平島利恵さん。数々の洗濯にまつわる悩みを解決してきた、まさに洗濯のプロです。

 

 

洗濯機の「使い方」が大事

「さっそく、洗濯機を見せてもらえますか?」と平島さん。約2年前に購入された洗濯機で機能も十分です。平島さんいわく普段の洗濯機の使い方にすでにポイントがあるそうで、まずは設定を確認するところからスタート。「今の全自動洗濯機はとても機能が充実している分、ついつい“おまかせコース”で洗濯しがちなんですが、それがもったいないんです!」とのこと。実は“おまかせコース”は最も効率的に洗濯を行うようコントロールされているため、洗濯物の量や内容によっては逆に汚れが落ちにくくなってしまうこともあるそうなんです。

平島さんがおすすめする「汚れが落ちやすい洗濯機の使い方」は、洗い時間が14分、すすぎが2回、脱水が6分という設定。この中でもすすぎは必ず2回行うのがポイントだそうです。そして、生乾き臭をさせないために重要なのが、なるべく早く乾かせるようにすること。そのために脱水は普段着の場合は6分、おしゃれ着の場合は1分を目安にするとよいそうです。

また、使用する洗剤にも注意。Iさんは洗剤と柔軟剤がセットになったジェルボールタイプのものを使っているそうですが、洗剤と柔軟剤が混ざり合ってしまうことで洗う力が落ちてしまうこともあるようで、「同じジェルボールタイプのものであっても洗剤のみのものを使って、柔軟剤については別でセットするのがおすすめです」。

そして、効率的に汚れを落とすには洗濯物の量を調整することが重要。洗濯物が溜まってくるとついついあれこれ放り込んでしまいたくなるものですが、縦型洗濯機の場合、洗濯槽に入れる量は全体の7割未満が最適な量。ドラム型洗濯機の場合は5割未満にするのが最も良いそうです。そうすることで汚れをしっかり落として洗うことができるだけでなく、しわになりにくいため干すときも手間がかかりません。

また、洗濯が終わった後、生乾きやカビを発生させないために洗濯機の蓋を開けて洗濯槽を乾燥させる方も多いと思います。「実は洗濯機の蓋のほかに、意外な盲点があるんです!」と平島さん。それは、洗濯機の洗剤や柔軟剤を投入する部分。ここは水が溜まりやすいので、常時開けておくことで乾燥した状態を保つことができるそうです。普段あまり気にしていないところですが、意識しておきたいですね。

 

洗濯物の干し方にも「ひと工夫」を

次にお聞きするのは干し方の工夫です。スペースが限られる室内干しは、どうしても衣類が重なってしまいがちですが、ここでもポイントがあります。それは洗濯物同士の間に「握りこぶし1つ分」を確保すること。衣類等が重なってしまうと風の通りが悪くなってしまい、乾きが悪くなってしまうからです。

また、室内干しでも生乾きを防いで上手に乾燥させるためのコツは「風の力を利用すること」。ここで役立つのがサーキュレーターです。サーキュレーターを洗濯物に向けて直接的に風を送ることで、洗濯物の間に確保した隙間が風の通り道に。「効率的に素早く乾かすことができるため、生乾き対策になるんです」。

サーキュレーターをつけっぱなしにするのって電気代は大丈夫?と思いましたが、毎日5時間稼働させたとしても1カ月あたりの電気代は約80円ほどだそうです。これくらいであれば取り入れてみようと思いますよね。

実演いただいている際に風にあたって衣服がゆらゆらと揺れていましたが、「それくらいが一番いいんです」という言葉が印象的でした。

洗濯物を干す際のもう一つのポイントは、洗濯が終わったらなるべくすぐに干すということ。そんな基本的なこと?と感じられたかもしれませんが、他の用事をしているとついつい洗濯が終わっていることを忘れてしまうという経験が誰しもあるんじゃないでしょうか。

濡れた状態で時間が経過するほど衣類に菌が増殖し、嫌な臭いの原因に。ある程度の時間が経ってしまい、臭いが気になるという場合にはもう1回すすぎを行うのも効果的だそう。「なるほどー、勉強になりますね」とIさんも熱心にアドバイスに耳を傾けておられました。

いかがだったでしょうか?

毎日行う家事だからこそ自己流になったり、少しでも楽にしたいと思いますが、結果的に十分な効果が出ていないという可能性もあります。毎日行う洗濯も、正しい方法で行うことやひと工夫を加えることで汚れが落ちやすくなったり、臭いを防止したりすることができるんですね。

今回ご紹介した内容は、いずれもすぐに実践可能な使えるコツばかり。みなさんもぜひ取り入れてみてください。

平島さん、ありがとうございました!

 

平島さんのyoutubeチャンネルでは“洗濯の極意”を動画でご覧いただけます。

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