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special
by tsujimoto

【団地と共に歩むこと】茶山台のコミュニティーに関わる学生さんにインタビュー!【前編】

堺市南区の茶山台団地。ここでは団地に住まう人たちや公社パートナー事業者による団地再生のための様々な取り組みによって、色とりどりのコミュニティーが生まれています。

その中の一つ、集会所を活用した茶山台としょかん(※1)。

みんなで読まなくなった本や小さい子向けのおもちゃを持ち寄ってできたとしょかんは、お年寄りが⽴ち寄って本を読んだり、⼦どもたちが遊びや宿題をしたり、団地や近隣にお住まいの方々などみんなのサードプレイスになっています。

この茶山台としょかんの運営に携わるNPO法人「SEIN」に、インターンシップで関わりをもつOさんにお話を聞きました。

Oさんと茶山台としょかん内のカラフルな本棚

Oさんは現在大学4年生。インターンシップの一環として茶山台としょかんの「としょがかり」を担ってくれています。
堺市外にお住まいのOさんの目に、団地や泉北ニュータウンはどのように映っているのでしょうか。

「社会と共に歩む」ために選んだ団地での活動

- NPO法人をインターンシップ先に選んだ理由はなんですか?

私の所属するのは社会にまつわることを学ぶゼミなので、卒業論文でも「社会と共に歩む」をテーマに選びました。
そこで、私が社会に参加して、社会と共に歩むためには? そう考えた時に、まず頭に浮かんだのが「団地」でした。

茶山台団地の景色

なぜなら、私にとって子供の頃から馴染みのある団地という存在こそ、一番身近な「社会」だったからなんです。
元々団地の多いエリアに住んでいたので、幼い頃の友達も団地に住んでいる子が多く、団地内の公園や空き地でよく遊んでいたんです。
自然と団地に住む高齢者の方とも交流ができていました。
その中で、知り合いだったおじいさんが孤独死してしまったことがあって。
それがショックで、なにか自分にもできることがないかと考えて、高校の時にはコミュニティーカフェの運営のお手伝いをしていました。

- Oさんは団地と共に成長されたんですね。団地だからこそ生まれやすい人と人のつながりがあったことがうかがえます。今は茶山台団地に通ってくれていますが、茶山台団地を知るきっかけはありましたか?

卒業論文で、自分に関わりの深い団地について調べ始めたのがきっかけでした。
堺市の広報に茶山台団地が取り上げられていたので、様々な活動があることは元々知っていたんですが、直接関わりができたのはゼミの先輩を通じてです。
先輩は以前、団地内でお惣菜屋さんをしているやまわけキッチン(※2)に関わっていたので、そのつながりで公社を紹介してもらい、SEINと出会って活動に参加しています。

近すぎず、遠すぎず。「多世代との触れ合いが楽しい」

- 茶山台のコミュニティーに参加してみてどうですか?

初めて活動に参加したのは2021年、16棟マルシェ(※3)でのリユース交換会「0縁マーケット」のお手伝いでした。
16棟マルシェは地域にお住まいの方の手で作るイベントということもあって、住民さんがたくさん来ていてとてもにぎわっていましたね。

2021年16棟マルシェの様子

それから同じ年の12月末頃から毎週土曜にとしょがかりとして、茶山台としょかんに通っています。
としょがかりは私の前に担当されていた方がとても馴染んでいたので、始めは住民さんと距離を感じていました。
でも、毎週通ううちに少しずつ受け入れてもらえて、最近では私の顔を見るためにとしょかんに来てくれる人もいます。

子どもたちとのコミュニケーションのきっかけにもなる寄付されたおもちゃ

本当のお姉ちゃんのように接してくれる子どもたちや、「元気~?」とか「今日はこんなことがあってね」と世間話をしに訪れてくれる住民さんがたくさんいて、団地のあたたかさを感じます。

- Oさんと住民の方々の人柄が伝わってきます。他にここに来てよかったなぁと思うことはありましたか?

今はとしょかんにくると誰かしらが話しかけてくれる環境があって、普段関わらない年代の方と話すことで刺激をもらっています。
大学にいると、同世代で話すことはあっても、高齢の方や子育て中の方と話すことも本当にないので。

常連のおばあちゃんが日焼け対策について2時間話してくれたこともあって、そんな他愛のない話をそれだけの時間一緒にしてくれる関係性ができたのも嬉しかったです。

一方でとても繊細なご家族同士についての相談などをしてくれる方もいたり。
孫のように接してくれますが、本当の家族や友人じゃないので、近すぎず遠すぎずで人間関係に影響を来さないから話せるのかなと思います。

- 信頼を積み重ねて、Oさんの存在がとしょかんに溶け込んでいるということですね。としょかんが多世代の方の交流の場になっていて公社としても嬉しいです。

Oさんのお話からは団地で生まれているとりどりのつながりを垣間見ることができました。
子どもたちにとっても、一緒に遊んでくれる大人がいる茶山台としょかんは放課後の楽しみになっているようです。

次回後編では、公社の団地再生に関わる職員とOさん、年代の近い2人に茶山台団地での取り組みについて話してもらいます!
【団地と共に歩むこと】大学生×公社職員対談「近すぎず遠すぎず。誰もが安らげる居場所を」【後編】 はこちら


1)「茶山台としょかん」
茶山台団地内で使われていなかった19棟集会所で始まった、本を介したコミュニティースペース。
団地住民はもちろん、誰もが自由に参加できる。
開館:水の13:00~17:00、金・土の10:00~17:00(12:00~13:00は閉館)
※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください

2)「やまわけキッチン」
茶山台団地21棟の1階にある、旬の食材を使った手作り惣菜が好評のお店。
物理的にも精神的にも様々なことを山分けて、関わる人みんなの幸福度を上げる地域のよりどころでもある。
営業:月・火・金・土の11:00~15:00
※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください

3)「16棟マルシェ」
年に一度、茶山台団地16棟前で開催される団地住民主催のイベント。
2022年度で3回目を迎えた。子どもたちや住民ボランティアのパフォーマンス、パートナー事業者によるブースなど、さまざまな出し物が行われる。0縁マーケットは茶山台としょかんにて不定期に開催しているリユース品の交換会で、16棟マルシェの際にもブースとして参加している。
2022年開催時のレポート記事はこちら