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〇〇してみた特集
by マッキー

「“学生”が思い描く作品が実現!」 第28回あすなろ夢建築 大阪府公共建築設計コンクール 受賞者にインタビューしてみた

「あすなろ夢建築」は府内の建築を学ぶ専修学校、高等学校等の学生を対象に、実践を通した生きた教育現場を提供することで建築技術者を目指す生徒達に夢と感動を与え、資質や能力を高めると共に、将来の建築技術者の育成に寄与することを目的とした平成3年度から大阪府が実施しているコンクールです。第28回あすなろ夢建築では「多様なライフスタイルが実現できる家」をテーマにした公社のニコイチ(※)に合計300作品近くの応募があり、見事グランプリ、準グランプリに輝いた2作品の事業着工が公社香里三井B団地で決定しました!

実際に自分が思い描いたリノベーション住戸がこれから誕生するにあたり、実際に設計に携わられた受賞者のお二方に今のお気持ちを聞いてみました。

 

ニコイチとは

隣り合う2つの住戸を1つにつなぎ合わせ、90㎡という広々空間として既存の間取りから大きく形を変えたプランにリノベーションする公社独自の取り組みのこと。


第28回あすなろ夢建築 グランプリ

「ウェルカムキッチンで繋ぐ団地の魅力」

受賞者
大阪市立都島第二工業高等学校
山下 奈緒美さん

第28回あすなろ夢建築 準グランプリ

「look at -家事をみせるんだー」

受賞者
中央工学校 OSAKA
新留 杏実さん

 

想いが形に。

平成30年度のコンクールエントリーから約3年が経過して自分が思い描いた作品がいよいよ形になろうとしていますが率直な今のお気持ちを聞かせてください。

山下さん:
やっと形になるんだ!という思いです。3年という時は長く感じますが、一つのものが形になるにはそれくらいの期間がかかるんだということを実感しています。

 

新留さん:
これだけの時間や計画をしっかりと準備して行う事業は素晴らしいと思います。短い時間で行う仕事は甘かったりミスが起こりやすいもの。たくさんの人が関わって自分の作品が形になろうとしていることを思う時に本当にチャレンジしてよかったと感じました。

今回のテーマは団地という住まいですが、お二人は「団地」にどのようなイメージをお持ちですか?

山下さん:
今でこそ、人が減って空家も増えている印象ですが、昔はまさに「賑やか」というイメージでした。ちょうど子供のころ過ごした自宅の前に合同宿舎があったのですが、子育て世帯が多くて本当に賑やかな場所でした。子供たちがわんさか公園で遊んでいて、誰かが必ずと言っていいほど外にいる。例えば花壇の手入れをしている人とかがすぐに目の届く距離感で自然と子供たちを見守ってくれている、そんな環境でした。それで今回、「人と人が共に住む場所」というイメージをもって設計しました。

新留さん:
子供のころ一時期団地で過ごした経験があったので、今回のプランは取り組みやすかったです。子供として育つうえで団地はとてもいい環境だと感じています。同じ団地内にたくさんの友達がいて、一緒に遊んだり、違う棟の友達に家に遊びに行ったりした経験は大きいですね。住環境がよかったイメージです。もちろん居住スペースが限られているという点もありますが、団地=広くないというイメージをニコイチで打開するというアイデアを聞いた時、ぜひエントリーしたいという気持ちになりました。

「屋外空間」も含めた団地の心地よさを考える

ここからはそれぞれのプランのコンセプトについて教えてください。
山下さんは住戸内だけに留まらずに屋外空間も意識されたプランになっていますが、そう意識されたのはなぜですか?
また、今回のプランの実現において山下さんが特に拘りたいポイントは何ですか?
そして、実際にどんな家族や世帯に住んでほしいですか?

山下さん:
子供のころに見ていたいつも人がベランダにいる風景から、生活している人の姿が見えるのはとてもいいことだと思いました。最近は防犯面からも人の目が届くのは安心できるポイントになるし、団地特有の緑が多くゆとりのある環境も見れるので室内から見える屋外空間も意識しながらプランを考えました。人との交流をテーマにウェルカムキッチンを備えた開かれた空間をコンセプトにしているので、友達の多い小学生くらいの子供がいる賑やかな家族をイメージしています。ご近所の方がフラッと訪ねてきた際にいつでも迎え入れることのできる人が理想ですね。特に土間がポイントです。靴を脱がないでいい方が気を遣わずに訪
ねやすいと思うんですよね。中に入って靴を脱がずに居心地よくコミュニケーションが取れることを意識しました。

今回のプランで特に難しい、一番苦労したことは何ですか?

山下さん:
まずは収納を確保することですね。全体的に収納が少ないと感じたので書斎部分を収納にするか迷いました。そして水回り部分は苦労しましたね。ウェルカムキッチンを取り入れるために洗面所、トイレは2か所必要だったので、結果的に浴室と洗濯室を分けることにしました。

「住まい」とは愛があふれる家族の団らんの場所

新留さんのプランは「住むだけで家庭円満を継続させる」「家事を見せる」という表現がとても印象的ですが、プランの実現にあたって特に拘りたいポイントがありますか?
また、実際にどんな家族、世帯が住んでほしいと思いますか?

新留さん:
拘りたいポイントとしてはなるべく間仕切りをなくして、全体を開放的にしたいです。そうすることで家族それぞれの動きが見えるようにすることを意識したいです。今回のプランニングでは子育て世帯を意識しましたが、子供はいつも親のすることを見て成長していくので、いつも家事をしている親の姿が見れるプランが理想的だと思いましたし、特に今回のニコイチはスペース的にもより開放的なプランにマッチすると感じました。住んでほしい世帯ですが、子育て世帯でも新婚世帯でもいいと思います。生活する中で子供が生まれ、温かい家族の形になって家族団らんで過ごしていくイメージでプランを考えました。子供へたくさんの愛情を注ぐハッピーな家族です。

今回のプランで特に難しい、一番苦労したことは何ですか?

新留さん:
今回、水回り関係(トイレ、浴室、洗面、脱衣所)を左右どちらか1室に纏め
てはいけないというルールがあったのですが、そこをどうクリアしていくかは悩みましたね。今回の私のプランではキッチンと洗面台を近くに配置しているのですが、洗面スペースこそ力を入れたいと思っていました。というのも団地の洗面所は共通して狭く、洗濯機や浴室のすぐ隣にあるので、そこを変えたいと思っていました。ちょうどコロナ禍で手洗いの習慣や重要性も盛んに言われるようになってきて洗面スペースの設計はより拘るポイントになりましたね。キッチン部分から見えるため、より使ってもらえるようになると思うし、見える分、手入れも行き届くようになると思うんです。間接照明やタイルなども採用して「見せる」洗面スペースにしたいです。

貴重な経験を糧にして・・・

今回の一連の経験が現在までに役立った経験などがありますか?
また今後の人生設計で実現させたいことがありますか?

山下さん:
現在の仕事には関係ないのですが、その後電気工事士の資格を取得しました。そして小さい空家を購入して現在も自分でリフォームしています。自分好みの家が出来上がることを楽しみにしています。

新留さん:
今も設計関係の仕事をしていますが、今回の経験は「自分が設計したものが形になる」ことを最初に体験できた経験だったので、今の仕事においても、より責任感をもって取り組む姿勢や自覚に繋がる貴重な経験だったと思います。プランも考えつくして自信をもって作り上げたものなので満足しています。こうしてたくさんの方に関わっていただいて作り上げるものなので今は楽しみにしています。

「楽しく快適に幸せに暮らしてほしい」そう願うお二人が、実際にそこで生活する人のことを一心に考え、思い描きながら懸命に設計された様子を一連のインタビューを通して伺い知ることができました!
「団地」とは、そこで暮らす人々が共生する温かな場所である、ということがお二人の語られる言葉や優しい眼差しからよく伝わってきました。

あすなろ夢建築の受賞作品は今後約半年間の期間を経て令和4年3月に完成する予定です。実際に住戸が完成する時が今から非常に楽しみですね。

山下さん、新留さん、インタビューに快く応じてくださり、ありがとうございました!

 

 


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