地震はいつ起きてもおかしくないもの。
自宅(団地)にいる時間帯に地震が起きるとは限らず、自宅にいない時の可能性もありますよね。
自宅(団地)で大きな地震に遭う確率ってどれくらい?なのか、気象庁HPの「明治以降、大阪管内で大きな被害を及ぼした地震・津波」に記載の過去22回の地震について、発生時刻別に回数を調べてみました。
平日の活動時間帯別に、朝の在宅時間(6時~9時)、通学・通勤等で自宅外にいる可能性が高い時間(9時~18時)、夕方以降の在宅時間(18時~23時)、就寝時間(23時~6時)に分けて集計しています。
通学・通勤等で自宅にいない可能性の高い時間帯(9時~18時)の地震発生回数が意外と多いことがわかりますね。
自宅で防災を意識していても、外出時に備えている方は意外と少ないのでは?
そこで今回は、外出中に地震が起こった場合の防災について、前回に引き続き、防災のプロ・大阪公立大学 都市科学・防災研究センターのコーディネーターであり防災士である増田さんに教えていただきます。
前回、団地暮らしの地震対策の記事はこちら
▼ 団地暮らしの防災【地震】 前編:備える
▼ 団地暮らしの防災【地震】 後編:被災後の情報収集
まずは、身を守る行動について、場面別にみていきましょう。
目次
POINT① 地震発生、まずは身を守る!
外出中の地震発生時、かばんやリュックで落下物から頭(上半身)を守りましょう。
頭を守りましょうとはいうものの、足を痛めては避難できなくなってしまいます。
とにかく、身を守る行動をとってください!
もし、地下街にいるときに地震が起こった場合は、停電で真っ暗になる可能性も。
慌てず、壁際に沿って避難するようにするといいと言われています。
ブロック塀や自動販売機の側など、倒れてくる危険性のあるものからは離れてください。
看板や表示板、照明器具等の落下の可能性がある危険物がある場合、頭上に気を付けながら避難しましょう。
街中でも団地内でも、地震の揺れで電柱が倒れてきたり、切れた電線で感電する危険もあります。とにかく、危険なものから離れてくださいね。
お子様のいるご家庭では、通学や習い事で通る道をお子様と一緒に歩いて、普段から身を守る行動について、話し合っておくことが大切です。
POINT② エレベーターで地震に遭遇、全階のボタンを押す
全ての階のボタンを押し、最寄り階で停止してから、速やかに降りてください。
階と階の途中でエレベーターが止まってしまった場合は、非常用呼び出しボタンで連絡し、落ち着いて救出が来てくれるのを待ちます。
大規模地震発生時は、多くの場所でエレベーターが止まり、救出までに時間がかかると考えられますが、焦らず、落ち着いて行動しましょう。
防災用キャビネットが設置されているエレベーターも少しずつ増えています、知識として覚えておくといいかもしれませんね。
POINT③ 車を運転中に揺れを感じたら、安全な場所で停止
揺れを感じても、急に止まるのは危険です!
急にブレーキを踏むと、後ろから追突される可能性があるので危ないですよ。
まずはハザードランプを付け、減速しながら左端に寄って車を停車しましょう。
場所によっては、道端で車を止めるのではなく、安全な場所へ移動してから車を停車します。
窓を閉め、エンジンを切ってから、徒歩で避難すると良いでしょう。
救急車など緊急車両の通行の妨げにならないよう、車の停止場所には注意してくださいね。
車はプライバシーの保ちやすい避難場所にもなります。
避難場所として使用する場合に備え、日頃からガソリンが心細いことにならないように注意してください。
暑さ寒さ対策として、エアコンが使用できることは心強いですよ。
POINT④ スーパーでは、買い物かごで身を守る
スーパーは、棚からビンなどの商品が落ちてきてケガをする危険性があります。
スーパーでは、買い物かごを頭からかぶって、身を守りましょう。
買い物かごは重量物でも耐えられる頑丈さがあり、身を守る道具になると言われています。
しかし、スーパーでも人気のコストコはちょっと例外です。
コストコは買い物かごがなく、大きめの買い物カート。
さらには、コストコの商品は結構な大きさや重量のあるものが多く、店内は結構な高さまで商品が積み重ねられています。
コストコでのお買い物は楽しいけれど、地震を考えると不安に感じる部分もありますね。
そうした場合は、何も落ちてこないスペースが作られているはずなので、まずはそのスペースに避難しましょう。
POINT⑤ 初めての場所、必ず非常口を確認する
初めての場所(建物・地下など)では、常に非常口の場所を確認する習慣をつけておきましょう。
万一の時、日頃の確認習慣が自らの助けとなるはずです。
消防士の方の話によると、非常口まで行って亡くなられている方が意外と多いとか。
非常口まで行けても、非常扉の開け方がわからないから、それ以上逃げられなかったということだそう。
非常口の場所と共に非常口の扉のノブの形状も確認しておくことをオススメします。
あらかじめ、非常扉のノブの形状別の開閉の仕方も、ネットなどで知識として覚えておくといいですね。
災害発生時、動揺していると、普段は簡単にできることでも、できなくなりがちです。
万一の場合でも、できるだけ落ち着いて対応できるよう、今回紹介したことを心に留めてもらえるといいなと思います。
引き続き、団地暮らしの防災として、外出時に地震が起こった場合について、ご紹介します。
▼ 団地暮らしの防災【地震】外出時の行動 ~後編~ はこちら
PROFILE増田 裕子
防災士
大阪公立大学 都市科学・防災研究センター(UReC)・ コーディネーター
新東三国地域福祉活動協議会・副会長
淀川区新東三国地域福祉活動協議会・副会長として、誰もが安心して暮らせる町づくりをめざして活動を行うとともに、防災士の資格を生かし、地域防災リーダーとして防災計画づくりなども行っている。
普段の暮らしの延長で無理なく備える防災準備など、女性ならではの視点で届ける防災の講演は毎回大好評。
関西各地で、講演やパラコードアクセサリーワークショップなど、防災の大切さを伝える活動を行っている。