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by ちゅう吉

結露に悩まない、冬の団地暮らしと節電対策 ~後編~

うちエコ診断士の村上なつきさんにご協力いただき、冬の団地暮らしの節電対策と、節電とつながりの深い『結露とカビ』対策についてご紹介した前編に引き続き、後編でも、団地暮らしに役立つ節電対策をご紹介します。
▼ 結露に悩まない、冬の団地暮らしと節電対策 ~前編~ はこちら

ワットチェッカー(ワットモニター)で消費電力を調べる

消費電力を “見える化“ できる機器が『ワットチェッカー(ワットモニター)』なんです。
こちらは村上さんの私物であるワットチェッカー。

ワットチェッカーをコンセントに差し込みセットして、消費電力を調べたい電化製品の電源プラグをワットチェッカーに差し込むと、消費電力を調べることができます。
上段の表示金額は1W(ワット)当たりの電力料金。下段は消費電力(W)の数値。
電力料金は、お住まいの契約電力に合わせて設定することができます。

電気は一定で流れてきているものではなく、減ったり増えたりと、流れの量に上下があるものだそう。
そのため、計測値には若干の幅が生じてくるので、平均値で考えるといいそうです。

ワットチェッカーについて、Sさんから素朴な疑問。
「ワットチェッカー自体は電力消費しているのでしょうか?」
確かに、電池を入れる所がなく、コンセントに差し込んだ時だけ液晶表示されるので、ワットチェッカー自体が電力消費してそうですよね。
ワットチェッカーのメーカー2社に問い合わせしたところ、ワットチェッカー自体の消費電力は、各々「0.5W」「1W未満」という回答でした。
わずかですが、ワットチェッカー自体も電力を使っているんですね(笑)。

ドライヤーは温風と冷風を交互使用で、時短&節電!

電化製品の中で意外と電力を使っているのが『ドライヤー』。
商品により若干の差異はありますが、大体1200Wくらい電力消費しているそう。

ドライヤーの消費電力を見える化してみましょう。
ドライヤーを温風にしてみると…

表示される数値に少し波はあるものの、大体1100W前後の数値になりました。
次に冷風に切り替えてみると…

90~100Wという結果に。
温風と冷風では消費電力が大きく異なることが、数値の見える化でわかりやすくなりましたね。
ドライヤーの取扱説明書に消費電力の最大値は記載があっても、冷風時の消費電力までは記載のないことがほとんどだと思います。こんなにも違いがあるとはビックリ。

「節電のためには温風の使用時間を減らしましょう。温風と冷風を交互に切り替えながら使用すると、温風だけの場合より短時間で乾きます。それに、温風だけで乾かした後、最後だけ冷風にするよりも、温風と冷風を交互に切り替えた方が髪にも優しいんですよ」と村上さん。

ぜひ、温風&冷風の小まめな切り替えを心掛けてみてくださいね。

スマホの消費電力、知っていますか?

いまや1人1台、毎日の生活に欠かせない『スマートフォン(以下、スマホ)の充電』の消費電力についても、ワットチェッカーで計測してみました。

まずは約6年前に購入したスマホで計測したところ、8~10W。

次に2年前に購入したスマホで計測してみると、3~4W。

使用年数が長いスマホほど、電気の使用量が増えるということが数値で見えましたね。
使用年数の経過とともにバッテリーが劣化してくることも影響していますが、新しい機種はやはりエコなんだそう。

リモコンではなく、本体をOFFにして待機電力を節電

電気料金のうち、約6%は待機電力だと言われています。
待機電力とは、家電製品を使用していなくても、家電製品のプラグをコンセントに差し込んでいるだけで消費している電力のこと。

エアコンも使わない時期はコンセントを抜いておくと、待機電力がかかりません。使っていない家電製品は、コンセントから抜いておくことが大切です」と村上さん。

待機電力がもったいないとわかっていても、一つ一つをその都度コンセントから抜くのは面倒くさい…。そんな場合には「節電タップ」を使うと、スイッチのオンオフで待機電力を簡単に抑えることができ、暮らしに取り入れやすいです。

 
また、テレビや照明器具など、リモコンのある家電製品。
リモコンでOFFにしても、主電源からOFFにしないと待機電力を消費しています。
ちょっと意識して、主電源でOFFすることを習慣づけましょう。

乾燥機にはテニスボールで時短&ふんわり

Sさん宅の洗濯事情は、ベランダで天日干しではなく、ドラム式洗濯乾燥機で乾燥まで行っているそう。洗濯物を干す&取り込むという家事の負担軽減に役立っています。

 

「乾燥機には、テニスボール3個を一緒に入れると、タオルなどのリネン類がふんわりと仕上がり、乾きも早くなりますよ」と村上さん。
この知恵はクリーニング店でも採用されており、クリーニング店では羊毛の高価な専用ボールを使用していますが、テニスボールで十分に代用可能なそうなので、ぜひ取り入れてみてください。

トイレのレバーは大と小を使い分ける

トイレのレバー、大と小を意識して使い分けていますか?

無意識のうちにトイレのレバーを手前に引いていると、常に大で流していることになります。
大で約8L、小で約6Lの水を使用すると言われており、トイレ使用は毎日なので、ちりも積もれば…ということに。
3人世帯だと、意識して大と小のレバーを使い分けるだけで、年間で約4,400円も水道代節約につながるそう。(大人と子供の区別は考慮していません)

暖房便座を設置している場合は、できるだけ低温に設定し、使用していない時はフタを閉めて熱を逃がさないようにすることで、節電することができます。

小さな積み重ねながら、これは意外とすぐにとりかかれる簡単な節約術ですね。

注)暖房便座を設置する場合、お住まいのスマリオを管轄するセンターに「模様替申請書」の届け出が必要です。

 

いかがでしたか?

今回取材にご協力いだいたSさん宅は、日頃から節電対策ができており、うちエコ診断士の村上さんのアドバイス前から100世帯中4位というエコ優秀なご家庭でした。
それが、節水シャワーヘッドに交換することで、エコ順位がさらに3位にアップ。

団地暮らしでありながらも、結露に悩まれたことがないSさんのエコな暮らしが印象的でした。

結露の悩み解消は節電にもなって一石二鳥!みなさんも、記事を参考に、ぜひエコな団地暮らしを楽しんでくださいね。

PROFILE村上なつき
うちエコ診断士
1990年代、ロサンゼルス生活で欠陥商品や有害食品から身を守るための消費者運動、コンシューマリズムに出会う。
帰国後、消費生活アドバイザーとして各種講座を担当。
その中で “省エネに関心はあるがよくわからない” との声を聴くように。
くらしのちょっとした工夫が省エネにつながることを皆さんと共有し、誰もが楽しく取り組めるよう各地でわかりやすく伝えている。