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life
by ちゅう吉

料理家・吉田麻子さんに教わる、家族が喜ぶ春の食卓

やわらかな空気に芽や花、土の香りが混じり、いよいよ春を感じるようになりました。

店先にはツヤツヤのイチゴや筍、そら豆に菜の花…と、みずみずしいフルーツや生命力に溢れた春野菜が並ぶようになり、ごはんがますますおいしくなる季節でもありますね。

「味わい深い春野菜とおいしいお味噌さえあれば、出汁がなくてもとってもいい味に。旬の鮮やかな野菜が食卓に並ぶだけでもワクワクする季節です」と、料理家の吉田麻子さん。


食の都・大阪で生まれ育ち、料理教室から料理本の上梓、TV出演、映画作品のフードコーディネートに至るまで幅広く活躍中の吉田さん。スマリオのために、団地の春の食卓にぴったりのお料理を教えてくださいました。

「和食だからと頑張りすぎなくても大丈夫。身近な食材を使って、気楽においしく作るコツをお伝えします。大皿を囲みながら、ワイワイ食事をいただく楽しさも味わってくださいね」。
目にも美しい5品のレシピとともに、みんなが喜ぶ春の食卓づくりのコツをご紹介します。

大人も子どもも大好き! 鶏もも肉と筍の黒酢あん


手に入りやすくボリューム満点な鶏もも肉と、春の味覚・筍をサッと炒めて。
事前に具材に片栗粉をまぶすことで、自然なとろみがつき味もしっかり絡みます。

「お酢で甘辛く仕上げた、みんなが大好きなホッとする味をメインに。白ごはんにはもちろん、ビールにも合うので大人も大満足。鶏もも肉の代わりにサバや豚バラ肉でもおいしいですよ」


ぜひ大皿にたっぷりと盛り付けて、食卓の主役に。

簡単なのに褒められる、帆立貝柱の桜の葉じめ


桜が上品に香る料理店顔負けの一品ですが、作り方は驚くほど簡単。
桜の葉の塩漬けで帆立貝柱を挟んでおくだけで完成します。

「この時期になると桜餅を作るキットが出回るので、桜の葉の塩漬けが気軽に手に入ります。昆布じめよりもずっと簡単で、上等な味わいに。葉を敷いて盛り付けるだけでも季節感が増しますね」と吉田さん。
ほんの一工夫で、いつもの食卓が一気に華やぎます。

まろやかな甘さの、いちごとグレープフルーツの酒粕和え


フルーツと酒粕、味噌を合わせた色鮮やかな副菜。
「お雑煮で使った白味噌が余っている方も多いと思い、今回は白味噌で上品に。もちろんいつものお味噌でもいいですよ。その場合はよりキリッとした味わいになりますね」。

酒粕と味噌のまろやかさ、メープルシロップの角のない甘みが好相性。
和えるだけでOKの手軽さもうれしい一品です。春なら金柑など、フルーツはお好みのもので代用可能です。

代用品で簡単に! 海老しんじょのお吸い物


しんじょを自宅で…と思うとなんだか敷居が高く感じますが、これもスーパーで手に入る代用品を使えば簡単においしく作ることができるそう。

「本来はかまぼこのすり身を使いますが、その代わりにはんぺんを叩いたものを使います。そして卵白や山芋の代わりに、ほんの少しマヨネーズを。入れ過ぎには注意です」

簡単なのに、驚くほどふわふわ!叩いたり混ぜたり、形をつくる工程は小さな子どもでも一緒になって楽しめそうです。

水煮缶で時短! あさりとえんどうの炊き込みご飯


「具材をたくさん入れられる炊き込みご飯は、毎日のごはんにおすすめ。これとお汁があるだけでも栄養満点です。今回は、あさりの水煮缶を使ってより気軽に。旨みたっぷりの煮汁も活用したり、出汁をとった後の昆布を使ったりと、食材を余すことなく使い切ります」

大阪府と連携してフードロス削減にも取り組んでいる吉田さん。今回のように出汁をとった昆布を炊き込みご飯に再利用したりと、二番だしを積極的に使うこともおすすめしています。

頑張りすぎない日々の料理が、心を豊かにする

「今回は5品ご紹介しましたが、毎日の食事はここまでごちそうじゃなくてもいいんです。先ほどもお伝えしたように、具沢山のご飯やお汁があればもう十分。炊き込みご飯ができない日だって、鰹節とお醤油を混ぜて白米といただくだけでもおいしいですよね」。食事は毎日のことだから、無理なく楽しめるのが一番ですよね。

「日本の食は、家庭でこそ継承されるものだと思うんです。郷土色があったり、地域によっても食べられるものが全然違いますもんね。出汁の旨みというのは油に代わるほどの満足感がありますので、子どもの頃からぜひ知ってもらいたいですね」と吉田さん。

とはいえ、鰹と昆布を用意して…と力を入れすぎると大変。
「たとえば昆布を水に浸すだけの昆布水を味噌汁に入れるだけでもグンとおいしくなりますし、出汁パックを使ってもいいんです。出汁パックはその後袋を破ってご飯を炊いたものに合わせたら栄養も摂れて一石二鳥です」。

おいしい食事は、作る人も食べる人も心が豊かに。
春を感じるレシピ、ぜひお試しくださいね。

撮影場所/香里三井C団地(寝屋川市)

PROFILE𠮷田麻子 
料理家・上方料理研究家
大阪生まれ

辻調理師専門学校をはじめ数々の料理学校で料理を学び、2012年に料理家として活動をスタート。予約がとれない料理教室として評判の吉田麻子料理教室を主宰するほか企業のレシピ開発や監修、食育、テレビや雑誌などでも幅広く活躍著書に「ちゃんとおぼえたい和食」「簡単、おいしい魚料理」などがある。2018年、2019年の2年連続で「料理レシピ本大賞」の料理部門に入賞。⼤阪の和⾷⽂化を広めるべく、上⽅⽂化研究會を主宰している。